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放射線を扱う場合には、放射線防護の観点から種々な安全管理が必要です。放射線の安全管理に関する基本的な考え方は、最新の国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に示されている放射線防護体系の一般原則(行為の正当化、防護の最適化、個人の線量限度)に基づき実施することはもちろんですが、端的に言えば、関係法令で定めている線量限度値を遵守した管理が必要です。
どのように施設・環境の管理を厳重に行っても、作業者が放射線源を直接取り扱う限り放射線被ばくを避けることはできません。したがって、放射線管理者のみならず、放射線作業に携わるすべての者の被ばく状況を常に確認することが重要です。このことは、作業環境が適切に管理されていることの状況把握にもなります。
放射線の被ばくによる人体影響は、放射線の種類、エネルギーや線量に依存します。したがって、個人被ばく線量や作業環境の放射線量を測定する場合は、取り扱っている放射線源に応じて適切な放射線測定器を用いて行うことが重要です。
(1)個人被ばく線量
わが国の放射線障害防止の関係法令では、管理区域に立ち入る場合に、1cm線量当量と70μ線量当量を継続して測定することが義務付けられています。管理区域に立ち入るときは、胸部(女性は腹部)に個人線量計を装着し、個人被ばく線量を常に測定します。
(2)個人被ばく線量測定器
個人の外部被ばく線量の測定には、フィルムバッジ、熱蛍光線量計(TLD)、蛍光ガラス線量計、光刺激蛍光線量計(OSL)、ポケット線量計の主に5種類が用いられています。個人被ばく線量の測定には、測定の自動化が容易で、測定器ごとのばらつきが小さく、繰り返して使えることなどから、従来のフィルムバッジに代わって蛍光ガラス線量計やOSL線量計が多く使われています。
これらの測定器では、実効線量と等価線量が評価されます。 |
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