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放射線を取り扱う施設や、一般公衆が居住・生活する場所の放射線レベルを一定の基準内に維持することは、作業者に対してはもちろん、一般公衆に対しても放射線による被ばくをできるだけ低くする上で重要です。
環境管理は放射線測定が重要な部分を占めます。外部被ばくに備えて、放射線を取り扱う施設及び事業所境界の線量又は線量率を測定する必要があります。
放射線測定を通して放射線防護上の措置を行うことをモニタリングと言います。モニタリングは、装置・施設・環境などの場のモニタリングと人のモニタリングとに区分することができます。場のモニタリングの中心は測定です。一方、人のモニタリングは過去に被ばくした程度の確認です。
(1)モニタリングの手順及び評価
場のモニタリングには、それぞれの目的に応じた測定器・設備があります。これらのモニタリングを適切に行うためには、実施手順を系統別に検討し、整えておく必要があります。
モニタリングは、人と放射線測定器と技術が密接に関係します。最大の効果をあげるために、モニタリングの結果の評価規準となる数値を比較します。一般的に、法令上の防護基準に基づいて、参考レベルとなる評価基準を設定します。
参考レベルは、1.記録レベル、2.調査レベル、及び、3.介入レベルに区分します。これらのレベルを使用することにより、不必要な、もしくは非生産的な作業を簡素化でき、測定機器や設備の有効利用を図ることができます。
- 記録レベル:法令基準の10分の1の値が目安。
超えた場合には、結果を記録する。その値よりも低い場合には、意味のない値として扱う。なお、記録レベルを使用する場合には、結果が記録されていなければ記録レベルを超えなかったとすることを、記録しておく必要があります。
- 調査レベル:記録レベルより少し高く設定する。
すなわち、通常ではほとんど超えないが、十分小さい値を作業ごとに定める方法がある。
超えた場合には、原因調査や結果の解析などを行う。
- 介入レベル:法令基準に近い値を設定する。
超えた場合には、何らかの改善措置を講ずる必要があるレベル。
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