放射線防護技術編
参考資料
1.放射線生物学 参考ムービーはこちら

8 放射線によるDNAの損傷

 放射線の標的分子は、主としてDNA であると考えられています。また、放射線によるDNA損傷を大きく分類すると、

  (a) DNA1本鎖切断
  (b) DNA2本鎖切断
  (c) 塩基損傷
  (d) 塩基喪失
  (e) 変性領域
  (f) 分子内架橋
  に分けられます。

  (a)、(c)、(d)、(e) は、放射線によって高頻度に起こる損傷ですが、修復が容易であるため、細胞死には影響はありません。一方、(b) は頻度は少ないですが修復が困難であるため、細胞死の第一原因と考えられています。なお、(f) ではDNA合成ができないため細胞は増殖できず、また、この損傷の修復過程においてDNA2本鎖切断を生ずるので、細胞死の原因の一つと考えられています。


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