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14 放射線量と生存曲線(用量反応曲線)
放射線による細胞死の定量的解析に最もよく用いられる重要な方法の一つは、コロニー形成法です。細胞は増殖を続けた場合、一つの細胞集落(コロニー)を形成します。細胞を照射すると増殖死を起こした細胞は数回しか細胞分裂しないので、一定時間培養後も大きなコロニーを形成しません。
この方法によって線量と生存率との関係を調べたものが生存曲線です。この生存曲線は標的モデルによく一致しているためよく用いられています。つまり、細胞内に標的がいくつかあって、そのすべてがヒットされると増殖死を起こし、一つでもヒットされずに残ると細胞は増殖死をまぬがれコロニーを形成するという考えです。
よく用いられているモデルは直線−二次モデルで、二つの標的へのヒットが細胞を失活させる時、一つの放射線が一度に2ヒットを作る場合と、二つの放射線が独立に2ヒットを作る場合を区別します。前者ではヒットの確率は線量に比例してe−αD で、後者ではヒットの確率は線量の二乗に比例するので、生存率はe−βD2で表わされます。ここで、α とβ は生存曲線の形を決める定数です。
全体として、生存率はe−αD×e−βD2=e(−αD e−βD2)で表わされます。 |
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