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17 染色体の構造と機能
ゲノム(genome)とは“gene(遺伝子)”と“chromosome(染色体)”を組み合わせた言葉で、生物の持つ遺伝子(遺伝情報)の全体を指す言葉です。その実体は生物の細胞内にあるDNA分子であり、遺伝子や遺伝子の発現を制御する情報などが含まれています。放射線によってDNA 損傷が生じますが、生体はその損傷を速やかに修復します。しかし、この修復過程において誤った修復が行われれば、遺伝子の変化や染色体の変化などのゲノムに影響が出てきます。遺伝子の変化としては塩基置換、フレームシフト、欠失、重複、挿入などが知られています。
染色体への変化としては、末端欠失、逆位、環状染色体、転座、二動原体などがあります。
増殖中の細胞がM 期に入るとDNA と核蛋白が結合したクロマチン構造が顕微鏡で見えるようになります。これを細かく見るとDNA ヒストン8量体に巻き付いたヌクレオソーム構造が繊維状になり折りたたまれた構造、すなわちクロマチン繊維を形成します。さらに、このヌクレオソームがらせん状に凝集しソレノイド構造となり、この構造が凝集してクロモメアと呼ばれる集合体をつくり、これがらせん状に凝集すると染色体になるという説が支持されています。 |
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