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27 放射線の確率的影響と確定的影響
放射線による発癌と生殖細胞の遺伝子の異常については、現在、確率的影響と考えられています。確率的影響は被ばくした臓器を構成する細胞のDNA 分子の何らかの変化に関連する影響で、DNA にたった1つの損傷を作った場合でも障害が起こる可能性があり、どんなに低い線量でも障害を起こし得るとされています。確率的影響は、線量に依存して頻度が増加し、癌等の重篤度は線量に依存しません。確率的影響は閾値が存在せず避けることができないため、放射線防護の最適化及び個人線量の管理が重要であるとされています。
これに対峙するのは確定的影響です。確定的影響は、放射線により、ある臓器を構成する細胞がある割合で死に、小線量の場合は死細胞の割合は小さく、その後細胞増殖により細胞数が元に戻り、臓器の機能が回復します。このように、臓器の機能障害は一定線量を超えないと認められず、閾値(いきち、しきいち)が存在します。例えば、白内障、皮膚の紅斑、脱毛、不妊など、癌以外の身体的な影響はこれに該当します。
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確率的影響: |
線量の増加によりA、B、C、D などのように頻度が変化する。ただし、いずれの場合も閾値はない。 |
確定的影響: |
被ばくする者の感受性の違いによりa、b、c(感受性a>b>c)のようになる。 |
図21 確率的影響と確定的影響 |
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