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3 測定器の特徴と使用上の注意
ウ 熱ルミネッセンス線量計
(ア)TLD 検出子の容積が少なくても十分な感度があるため、線量計が小型軽量に出来ます。
(イ)熱蛍光物質の種類が多く、生体等価なものや高感度のものなど、目的に応じて選択することが出来ます。
(ウ)光子エネルギー特性の異なる蛍光物質を組み合わせることによって、エネルギー補償用フィルターを用いなくとも、エネルギー情報が取れます。
(エ)複数のエネルギー補償用フィルターを使用したものは、X 線・γ 線・β 線の混在場においても分離測定が可能です。
(オ)熱アニーリング(加熱することで情報を消去すること)によって初期化し、再使用することが出来ます。
(カ)読取時に蛍光中心が消失するので、再読取りができません。
(キ)高温多湿下では、フェーデイングにより過小評価となることがあります。
(ク)BeO など一部のTLD は衝撃によって疑似発光する可能性があります。
(ケ)TLD の感度に個体差があるため、高い精度を要求する場合は、TLD 毎の感度補正係数を必要とします。
エ フィルムバッジ
(ア)堅牢で機械的強度が強い。
(イ)比較的長期間の積算線量の測定に適しています。
(ウ)写真フィルムを適正に保管すれば、データを長期間保存できます。
(エ)入射放射線の平均的なエネルギーを推定することが出来ます。
(オ)安価です。
(カ)写真濃度に限界があるため、TLD 等に比べ測定できる線量の範囲が狭い。
(キ)潜像退行によるフェーディングが大きい(湿度依存もある)。
(ク)方向特性が大きい。
(ケ)現像行程にムラがあると濃度ムラとなって現れやすい。
(コ)環境条件でカブリ濃度が出やすい。
オ 半導体ポケット線量計
(ア)電離箱型に比べると感度が高い(1μSv〜 )。
(イ)デジタル表示なので読みやすい。
(ウ)エネルギー特性は、電離箱型に比べると悪い(30% 程度ある)。
(エ)作業中に確認しやすい。
(オ)電磁波、静電気等による誤動作に注意が必要です。
カ DIS 線量計
(ア)放射線の電離によって生成された電荷を不揮発メモリに捕獲させ、アナログ情報として読み出すことが出来ます。
(イ)稼働電源を必要としません。
(ウ)チャンバーの大きさ、壁材質、使用ガスを変えることで線量計の特性を変えることが出来ます。
(エ)衝撃に強い、電磁波の影響を受けない、パルス状放射線に対しても測定可能です。
(オ)繰返しの測定が可能です。
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