放射線防護技術編
参考資料
2. X線の原理とX線装置の仕組

1 X線の発生原理とX線の性質

(5)X 線の吸収差

吸収の大きい部位ほど透過が少ない
厚い部位ほど透過が少ない(フォルム濃度が薄い)

図10 X戦の吸収とフィルム濃度
図10 X戦の吸収とフィルム濃度

 X 線は、吸収の大きい部位ほど透過が少なくなります。

 例えば、骨と脂肪では骨の方が吸収が大きい(X 線の透過量が少ない)ので、フィルムには白っぽく出ます。一方、脂肪はX 線吸収が少ない(X 線の透過量が多い)ので、フィルムには濃く出ます。

 また、厚い部位ほど透過は少ないので、同じ部位なら厚いほうが吸収が大きく、フィルムは白っぽく出ます。しかし、管電圧が高くなればなるほど透過能力が高くなり、吸収の差が出にくくなる、つまりフィルム濃度に差が出にくくなる特徴もあります(図11)。
 
管電圧が高い(エネルギーが大きい)ほど透過能力が高く
吸収の差が出にくい。(フィルム濃度の差が少ない)

図11 管電圧とフィルム濃度
図11 管電圧とフィルム濃度

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