放射線防護技術編
参考資料
3. 放射線の測定 参考ムービーはこちら

3 測定器の特徴と使用上の注意

    エ 半導体式サーベイメータ
      (ア)特徴
       検出部に半導体を使用するため、電源部を小さくできます。このため、小型軽量化が可能です。出力信号がデジタル化しやすく、線量率、積算線量を簡単に表示できます。
       空気に比べて半導体の電離エネルギーは約1/10程度で、さらに密度が約1000倍あるので、小型で高感度の線量計を作ることが出来ます。
      (イ)エネルギー特性
       半導体検出器は、固体電離箱と呼ばれるように、検出部が固体です。低エネルギーの放射線に対しては、検出器自体が吸収体となるために感度が低くなります。特に、30keV 以下では極端に低くなるため、低エネルギーの放射線の測定には注意が必要です。
      (ウ)方向特性
       半導体検出器は小型のため、前方上下左右とも90°方向までは正面の感度に比べ最小でも約80% の感度を有していますが、後方からの入射では、電子回路の基板等もあり、極端に感度が低くなります。使用にあたっては、シンチレーション検出器と同様の注意が必要です。
      (エ)使用上の注意
       小型軽量なのでどこでも使用できる利点がありますが、エネルギー特性が低エネルギー側で極端に低くなるため、線量測定を行う場合は、入射放射線のエネルギーを考慮して行う必要があります。
       高感度なので、自然放射線のレベルまで十分検知します。人工放射線の影響の少ない場所であらかじめバックグランドの測定を行ってから、測定を行うことが必要です。
表1 サーベイメータの種類と使用目的
表1 サーベイメータの種類と使用目的

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