放射線防護技術編
参考資料
5. 事故等の発生に伴う措置

第8条: エックス線装置の防護

2 診療施設の管理者は、透視用エックス線装置について、前項に規定するもののほか、次に掲げる措置を講じなければならない。
    一 透視時間を積算することができ、かつ、透視中において一定時間が経過した場合に警告音等を発することができるタイマーを設けること。
    二 利用するエックス線管焦点受像器間距離において、受像面を超えないようにエックス線照射野を絞る装置を備えること。ただし、次に掲げる場合には、受像面を超えるエックス線照射野を許容するものとする。

      イ 受像面が円形でエックス線照射野が矩形の場合において、エックス線照射野が受像面に外接する大きさを超えないとき。
      ロ 照射方向に対し垂直な受像面上で直交する2本の直線を想定した場合において、それぞれの直線におけるエックス線照射野の縁との交点及び受像面の縁との交点の間の距離(以下この条において「交点間距離」という。)の和がそれぞれ焦点受像器間距離の3パーセントを超えず、かつ、これらの交点間距離の総和が焦点受像器間距離の4パーセントを超えないとき。
    三 利用線すい中の蛍光板、イメージインテンシファイア等の受像器を通過したエックス線の空気カーマ率が、利用線すい中の蛍光板、イメージインテンシファイア等の受像器の接触可能表面から10センチメートルの距離において、150マイクログレイ毎時以下になるようにすること。
    四 透視時の最大受像面を3.0センチメートル超える部分を通過したエックス線の空気カーマ率が、当該部分の接触可能表面から10センチメートルの距離において、150マイクログレイ毎時以下になるようにすること。
    五 利用線すい以外のエックス線を有効に遮へいするための適切な手段を講じること。

  • 第8条第2項は、透視用エックス線装置の防護について規定しています。
  • 透視を行う場合、エックス線診療従事者等は、放射線防護の観点から、できる限り防護衝立等の後ろで作業することが推奨されますが、作業上難しい場合、防護衣や防護手袋を着用するなど適切な防護措置を講じる必要があります。
  • 「透視時間を積算する」とは、透視中の時間を把握することです。エックス線診療従事者等の被ばく線量を抑制するため、透視中に一定時間が経過した場合に警告音等を発するタイマーを設けることが必要です。
  • 「利用線すい以外のエックス線を有効に遮へいするための適切な手段」とは、被照射体からの散乱線及びエックス線装置と被照射体との間に設けられた散乱体による散乱線に対するエックス線診療従事者等の放射線防護を言います。

3 診療施設の管理者は、撮影用エックス線装置について、第1項に規定するもののほか、次に掲げる措置を講じなければならない。
    一 利用するエックス線管焦点受像器間距離において、受像面を超えないようにエックス線照射野を絞る装置を備えること。ただし、次に掲げる場合にあっては受像面を超えるエックス線照射野を許容するものとし、口内法撮影用エックス線装置にあっては照射筒の端におけるエックス線照射野の直径が6.0センチメートル以下になるようにするものとすること。

      イ 受像面が円形でエックス線照射野が矩形の場合において、エックス線照射野が受像面に外接する大きさを超えないとき。
      ロ 照射方向に対し垂直な受像面上で直交する2本の直線を想定した場合において、それぞれの直線における交点間距離の和がそれぞれ焦点受像器間距離の3パーセントを超えず、かつ、これらの交点間距離の総和が焦点受像器間距離の4パーセントを超えないとき。
    二 移動型及び携帯型のエックス線装置並びに手術中に使用するエックス線装置にあっては、エックス線管焦点及び被照射体から2メートル以上離れた位置において操作できる構造とすること。

  • 第8条第3項は、撮影用エックス線装置の防護について規定しています。エックス線撮影の際、被照射体からの散乱線の発生を少なくする措置について規定しています。
  • 移動型及び携帯型のエックス線装置を使用する場合、エックス線管焦点及び被照射体からエックス線診療従事者等までの距離を2メートル以上に保たなければなりません。

4 診療施設の管理者は、治療用エックス線装置(近接照射治療装置を除く。)について、第1項に規定するもののほか、利用線すいの放射角がその使用の目的を達するために必要な角度を超えないようにするとともに、ろ過板が引き抜かれたときエックス線の発生を遮断するインターロックが作動するろ過板保持装置を設けなければならない。

  • 第8条第4項は、治療用エックス線装置の防護について規定しています。
  • 治療用エックス線装置には、ろ過板が引き抜かれた際に、エックス線の発生を遮断するインターロックが作動する装置を設ける必要があります。


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