Chapter1
Chapter2
Chapter3
【参考(3)】獣医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について
(農林水産省生産局長通知)
(12)エックス線診療室等の測定(第18条)
ア 診療施設の管理者は、次に掲げる場所について、診療を開始する前に1回及び診療を開始した後にあっては1月を超えない期間ごとに1回(エックス線装置を固定して使用する場合であって、使用する方法及び遮へい壁その他の遮へい物の位置が一定しているときにあっては、6月を超えない期間ごとに1回)エックス線の量を測定し、その結果に関する記録を5年間保存しなければならない。
エックス線診療室
管理区域の境界
診療施設の敷地内の人が居住する区域
診療施設の敷地の境界
この規定は、エックス線診療室等については、放射線の遮へいが適切に行われない場合には放射線障害が発生するおそれがあることから、これらの場所についていわゆる環境モニタリングの実施を義務付けるものである。
この場合、エックス線量の測定は、遮へい物等の外側の最も近接した点で通常の使用状態において行うものとする。なお、この測定は、専門機関等に委託して実施することが望ましい。
イ 第2項で規定するエックス線の量の測定については、今回の改正により、「1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について行うものとする。ただし、70マイクロメートル線量当量率が1センチメートル線量当量率の10倍を超えるおそれのある場所又は70マイクロメートル線量当量が1センチメートル線量当量の10倍を超えるおそれのある場所においては、それぞれ70マイクロメートル線量当量率又は70マイクロメートル線量当量について行うものとする。」と規定し、3ミリメートル線量当量率を測定する義務を課さないこととした。
なお、この場合において、管理区域の境界に係る線量限度等が3月間当たりで規定されたことから、場所に係る測定に適した積算型の放射線測定器で測定を行う場合が想定されるため、場所に係る測定の項目に1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量が追加された。
この場合において、1時間当たりの線量率を測定した場合の線量は、使用実態を考慮し、8時間/日、40時間/週、500時間/3月とし、算定して差し支えないものとする。
また、1週間又は1月間等の一定期間における積算線量を測定した場合は、3月間当たりの線量は、1週間の積算線量の13倍、1月間の積算線量の3倍とする。
ウ 第3項で規定する「放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合」とは、物理的に測定することが困難な場合に限定されることとする。この場合にのみ、計算による算出が認められる。
(13)記帳(第19条)
診療施設の管理者は、帳簿を備え、エックス線装置の使用状況を記載し、これを1年ごとに閉鎖し、閉鎖後3年間保存しなければならない。
この規定は、エックス線診療従事者等の放射線防護の観点から、エックス線装置の使用状況を帳簿に記載することを義務付けたものであり、記録するべき項目は、使用日時、管電圧、ミリアンペア秒、照射回数等であるが、これらの記録から1週間当たりの使用時間を算出し、これについても併せて記録することとする。なお、撮影1回当たりの使用時間は、骨の場合は1秒、その他の場合は10分の1秒として差し支えないと解釈されたい。
(14)事故の場合の措置(第20条)
ア 診療施設の管理者は、地震、火災その他の災害又は盗難その他の事故により放射線障害が発生し、又は発生するおそれがある場合は、直ちにその旨を当該診療施設の所在地を管轄する都道府県知事に報告するとともに放射線障害の防止に努めなければならない。
放射線障害が発生した場合等に、適切な対策を講じる観点から、直ちに都道府県知事に報告するととともに、被ばくしたおそれのある者について医師の診断を受けさせる等の必要な措置を講じ、放射線障害防止のための迅速な対応がなされるよう指導をお願いする。また、都道府県知事は、事故の発生に係る報告を受けた場合には、必要に応じて、消防署、警察署等関係機関との円滑な連携を図るようにされたい。
イ 診療施設の管理者は、事故等により放射線障害が発生したときは、当該事故に関する記録を5年間保存しなければならない。
この規定は、事故の発生した日時、事故の原因、障害の発生状況、管理者が行った対応措置、事故により被ばくした者に係る実効線量その他の必要な事項を記録しておくとともに、これを保存することを義務付けるものである。
(15)その他の留意すべき事項
以上のほか、次の事項について留意の上指導をお願いする。
ア エックス線診療従事者等の健康診断
診療施設の管理者は、エックス線診療従事者等の健康管理を適切に行うため、これらの者に対し、医師による放射線障害の有無に係る必要な健康診断を定期的に行うことが望ましいこと。
イ 電離放射線障害防止規則等の適用
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)又は国家公務員法(昭和22年法律第120号)の適用を受ける診療施設等にあっては、従前どおり、それぞれ電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)又は人事院規則10―5(〔職員の放射線障害の防止〕昭和38年人事院規則10―5)が適用されること。
なお、専ら動物の疾病診断又は治療に使用されるエックス線装置は、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第6条第5号に規定する医療用のエックス線装置に該当するものもあり、労働安全衛生法第14条に規定する作業主任者を選任することは必要としないこと。
ウ 放射線防護に関する研修会への参加
診療施設の管理者は、エックス線診療従事者等を獣医師団体が開催するエックス線装置の取扱いに関する研修会等に積極的に参加させ、放射線に係る知識及び技術の修得に努めることが望ましいこと。
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