放射線防護技術編
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獣医診療現場における放射線防護の実際

1. 放射線防護の3原則

W 骨シンチグラフィー検査法で診断可能な病態

  1. 骨折や疲労骨折
  2. 骨髄炎や化膿性骨疾患
  3. 骨壊死 
  4. 異所性石灰沈着
  5. 原発性骨腫瘍の補助診断
  6. 悪性腫瘍の骨転移の検索


X 馬における骨シンチグラフィー検査法の概要

  1. 検査施設
     馬で骨シンチグラフィー検査を実施する場合も、他の動物と同様に、獣医療法施行規則及び関連告示により定められている基準を満たす以下の施設を備えたうえで、都道府県知事への届け出が必要です。
    • 準備室…放射線医薬品の分注、調剤などを行なう
    • 診療室…ガンマカメラを用いて核医学検査の撮影を実施する
    • 収容室(専用馬房)…放射線医薬品を投与し、さらにその馬を収容する
    • 動物用汚染検査室…馬を退院させる際、汚染の程度を測定する
      図7 実際の図面およびアメリカの施設(例)
      図7 実際の図面およびアメリカの施設(例)
    • 汚染検査室…放射線診療従事者が管理区域から退出する場合に汚染を確認する
    • 貯蔵室…放射性医薬品を保管・貯蔵する場所
    • 保管廃棄室…固体状の放射性廃棄物を保管し、減衰させる場所
    • シャワー室…放射線診療従事者用の汚染除去
    • 排気設備
    • 排水設備
     これらの施設は放射線管理区域となり、放射線診療従事者以外の立ち入りは制限されます。
  2. 厩舎関係者への説明
     核医学検査の目的や手順、そして入院期間について説明します。また、退院した後の馬の取り扱いについ て説明し、同意書へ署名してもらいます。
  3. 馬の準備
     馬は放射線管理区域である核医学施設の馬房に収容し(図8)、放射性医薬品を確実に投与するため、静脈内留置を実施します。蹄の描出および検査中の安全性確保のために蹄鉄を除去し、さらに、尿中に排泄さ れる放射性同位元素が下肢部や蹄に付着するのを防ぐため、四肢のバンテージと蹄のカバー(図9)を装着 します。 ※今回の法改正では、固形の放射性廃棄物である寝藁の使用は現実的に不可能となっています。ただし、 気体及び液体は獣医療施行規則第18条の2第1項に規定されている濃度限界以下になれば一般の下水、あ るいは空気中に排出できることになっていますので、尿や糞は水で流して貯水槽に溜め、減衰を待って下水 中に排水することになります。
    図8 放射線管理区域の馬房
    図9 四肢バンテージと蹄カバー


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